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     【 掲示俳句への感想 】 282回 俳句ランド

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   ≪ 天地人の発表 ≫  対象 281回 掲示俳句

 皆さんの選句の天3点、地2点、人1点として、集計した上位句です。

 

天 20 夏薊山へと返す畑ひとつ    正憲

地 19 万緑を突き抜けて立つ槍穂高  正憲

地 24 滝道の処々に滴る静寂かな   逸郎

人 8 ひんがしの空におよびて大夕焼 丈

人 21 緑風や百畳ほどの天守跡    逸郎

人 30 芭蕉句碑洗ひもすなる緑雨かな 逸郎

4位 3 薄日さす庭の華やぎ梅雨の蝶  丈

4位 13 縄電車大緑陰の始発駅     正憲

 

    ≪ 感 想 ≫ 対象 281回 掲示俳句 

  1 梅雨晴の樹々かくまでも若々し  丈

   ・ 梅雨晴れの季語の本意に中七以降の措辞がそぐわない感じが否めない。 (My)

   ・ 「かくまでも」はわかりにくい。(IF

 

  2 松が枝に山鳩睦む梅雨の庭    丈

 ・ 梅雨時の庭。自ずから行動が限定される。二羽の山鳩がいたわり合うように、慰め合うように……と感じた。 (Jt

 ・  “松が枝に”と上五で詠っているので下五の“庭”は不要ではないか。下五は“梅雨晴間”で良いと思うが。?(My)

  ・ 「松が枝」に雨宿りしてるのだろうか。(IF

 

  3 薄日さす庭の華やぎ梅雨の蝶   丈

 ・  “薄日さす庭の華やぎ”の表現に作者の気持ちが良く表れている。季語“梅雨の蝶”がとても良い。 【人】 (My)

  ・ 上5が利いている。(IF

 

  4 青時雨さそひて繁き鳥のこゑ   丈

 ・ 夏の雨の降る中、複数の鳥が集まって鳴いている声を作者は聞いたのであろう。鳥たちは先駆けて雨の上がる予感を感じて鳴いている。 そんな句意であろう。 (My)

 ・ 5と下5の両方とも名詞や体言止めの句形は、できるだけ避けたい。(IF

 

  5 菜園の瑞をそのまま胡瓜揉    丈

 ・ 家庭菜園で収穫した朝採りのものなればこそ……。 (Jt

 ・ 中7はややわかりにくい。(IF

  

  6 乾盃のビールとジュース共に喜寿 丈

 ・ 酒好きの自分と下戸の妻。なんとか元気に隠居生活を送っている。夕食の前にはお疲れ様、今日も元気、と乾盃。折しも今年は共に喜寿。身勝手な自祝の一句。 (Jt

 ・   仲睦まじいご夫婦の姿が目に浮かぶ。共に喜寿の措辞に乾杯。! (My)

    ・ 喜寿の一人が酒類を飲めない事情があるにせよ、共に喜寿を喜んでいるようすがよくわかります。上5は「乾杯や」としてもよいが、最近は「の」が多いようですね。

IF

  

7 冷し酒父の齢を疾うに超え    丈

 ・ 酒好きの父ではあったが……。酒を飲む時思い出すことも……。 (Jt

 ・ いつの間にか父の年齢を越えてしまったという作者の感慨と季語“冷し酒”取り合わせが良い。(My) 

 ・ この季語が最適だろうか。(IF

 

  8 ひんがしの空におよびて大夕焼  丈

   ・ 東も西も夕焼なのだろう。【 地 】  (IF)

 ・ 北海道の富良野辺りの夕焼けであろうか。?このような雄大な夕焼けを見てみたいものだ。

  中七の表現が説明的なのが残念。“ひんがしの空を染めたり大夕焼” ではどうだろうか。? (My)

  

  9 妻呼べばはや雲隠れ梅雨の月   丈

  ・ 汀女の“外にも出よ触るるばかりに春の月”を思い出した。こちらは梅雨の月。 (My)

  ・ 短い時の間の、きれいな梅雨の月がしのばれる。(IF

 

  10  その奥の空はみづいろ梅雨夕焼  丈

  ・ 上五の“その奥に”の表現が説明的な感じがする。“暮れ残る”など工夫の余地がありそうです。 (My)

    ・   夕焼けの奥の空が水色ということか。(IF

 

 11 三尺を飛んで打たるる梅雨の蝶 正憲

 ・ 中七は雨に打たれたということだろうか? 飛び始めたと思ったら突然ポツリポツリと降り出したのかも……? (Jt

 ・ 雨に打たれたのでしょう。ちょとかわいそうなところが俳味か。(IF

 

 12 水撫でて媼の挿せる早苗かな  正憲

  ・ 最初の一本を植える時の、祈りの思いが込められた仕草なのかも。 (Jt

 ・ 5がみそでしょうが、ややわかりにくいか。(IF

 

 13 縄電車大緑陰の始発駅   正憲

  ・ 面白い。【 人 】  (IF)

  ・ この中七は「……が」でも良いのかも……。暑い日盛の子供たちの元気な姿。 (Jt

 

14 青蔦の空や掴まるものがない  正憲

・ 何かにつかまり絡み付きながら伸びてきた青蔦。これから先は捕まるものがない。景がよく見え何か象徴的。共感するのだが、上五の「や」に対して下五は口語の「ものがない」は問題では? 文語で統一したい。 (Jt

 ・ 青蔦は元気がよいだけに冒険するも、うまくいかない

こともあるのだろう。(IF

 

 15 青蔦やボルダリングぼ指の先  正憲

 ・ 中七は誤植か? 「ボルダリングの」だろう。いや面白い着眼。まさにその通り。ボルダリングと青蔦の這い上がる様が重なる。共感。 (Jt

 ・ ボリタリングのぼ指の役割など知らない。(IF)

 

 16 滑り落つ水の塊太宰の忌    正憲

・ 水の塊が滑り落ちる? 滝なのだろうか? 落ちるしかない運命的なものを感じる。そこが「太宰の忌」に響くところか? 残念なのは上五の「落つ」は上二段活用の終止形。三段切れになってしまっていて好まれない句型。 (Jt

 ・ 水と太宰の忌の取合せ、わかるようでわからない。(IF

 

 17 限界集落老鶯鳴き渡り     正憲

 ・ いわゆる限界集落。子供や若者の姿は見えないのだが夏鶯は見事な声で……。こんな光景には共感するのだが、上五中七併せて12音に拘っているような感じ。字数よりも語調を優先すべき。「老鶯の」と補って「限界集/落老鶯の」と句跨りにすべきかと思う。 (Jt

 ・ どのような 限界集落だろう?。(IF

 

18 錯乱の国の行く末大茅の輪   正憲

・ この「錯乱」は新型コロナ禍による混乱を指しているのだろうか? 神に祈るしかない。水無月祓の行事はもともと流行病を恐れての行事であろう。 (Jt

 ・ 錯乱の国は具象化したい。(IF

 

 19 万緑を突き抜けて立つ槍穂高  正憲

 ・ 昨年乗鞍岳へ行ったのだが、その途中、槍ヶ岳、穂高岳を一望する景に出会うことが出来た。正にこんな景である。「槍穂高」は省略された呼称だが、有名な存在であるので許されて良いのだろう。或いは一方にして「槍ヶ岳」でも成り立ちそう。『天』 (Jt

 ・  7は「従えるかの」の意だろうか。(IF

 

20 夏薊山へと返す畑ひとつ    正憲

 ・ 放置畑を山へ返すとは面白い。【天】(IF

 ・ 山間部に開墾された畑なのだろう。「三ちゃん農業」と言われた時代はまだしも、休耕田、耕作放棄田、等と言われる時代。田と言わず畑もまた。干拓、開墾等で耕作地を確保、拡大しようとした時代から耕作地を持て余す時代へと、時代は大きくうねる。関東平野の米所でさえも……。ましてや山間部では……。正にその通り。薊の棘が心臓に突き刺さってきそう。『人』 (Jt

  

21 緑風や百畳ほどの天守跡  逸郎

 ・ 天守閣はもう無い。樹々の茂った石垣のみ。往時を忍びながら心地よい風に打たれている。共感。『地』 (Jt

  ・ 何処かの山城であろう。 百畳ほどの天守台ならばそこそこの城主であったのでは。?

 今は廃城となってしまったが、青葉風の中、作者は往時の城の繁栄を偲んでいるのである。 (My)

 

 22 風鈴を吊るし公開御城番    逸郎

 ・ 下五は「松坂御城番長屋」のことだろうか? 行ったことは勿論、聞いたこともなかったのでインターネット情報に頼った。一部松阪市が管理して旧状を維持して一般公開をしている由。昔ながらの武家屋敷のようだから長屋とはいえ風通しが良いのだろう。風鈴が涼しそう。 (Jt

 ・  風鈴は江戸時代以降庶民のものとして縁日などで売られるようになった。

 掲句の公開御城番が吊るした風鈴のように江戸時代の御城番も風鈴の音を楽しんでいたことであろう。 (My)

 

 23 渓谷の奥へ奥へと滝探る    逸郎

 ・ 余程有名な滝であれば近くまで車で行けるが、この滝は歩いて行くしかないのだろう。奥山の静けさの中の滝に出会った時の感動やいかに。 (Jt

 ・ 心の昂りが垣間見えるようだ。きっと人知れず落ちる秘境の滝を探したのだろう。

  少し報告的な感じが気になる。  (My)

 

 24 滝道の処々に滴る静寂かな   逸郎

 ・ しぶきなどで滝道が所々濡れているのであろう。いよいよ周りの雑音が消え滝音だけになった。

 これを作者は静寂と捉えた。 情感豊かな句である。 【天】 (My)

 ・ 景はよくわかる。滝も滴りも涼感を呼ぶ夏山の風物。季重りではあるが……。 (Jt

 

25 紫陽花の奥より筧禊水     逸郎

 ・ 筧より禊水を浴びて身体を清めているのであろう。“紫陽花の奥”と表現したことで清冽な禊水が目に浮かぶ。 (My)

 

 26 夕立来て巌生気をとりもどす  逸郎

 ・ 炎天下の大岩は見ただけで暑そう。夕立の雨に打たれて濡れた巌は色艶も落ち着き、生気を取り戻した感じと……。尤も。 (Jt

 ・ 炎天が続いて乾き切った岩肌を夕立が濡らしてゆく。作者は巌も人も生気を取り戻す言いたいのである。(My)

 

 27 夕立の過ぎゆき峡の今日の松  逸郎

 ・ これまでに見た松と違って見えたのだろう。強い雨に洗われて……。 (Jt

 ・ 下五の“今日の松”に何か特別な思いがあるのだろうか。?(My)

 

28 半裂のやをら寝返り見せにけり 逸郎

  ・ 大山椒魚は動きが少ないだけにちょっとした動きも見る者の驚きにつながる。 (Jt

 ・ オオサンショウウオの息継ぎの準備の場面か。? 中七以降の表現に作者の驚きようが良く分かる。 (My)

 

 29 芭蕉堂正面飾る蚊遣香     逸郎

 ・ どんなに立派な蚊遣香なんだろうか? 所詮蚊遣香とは思うが……。目立つところにあった? (Jt

 ・ 京都の芭蕉堂であろうか。? 下五の蚊遣香に心優しい京都人の気配りが感じられる。 (My)

 

30 芭蕉句碑洗ひもすなる緑雨かな 逸郎

 ・ 芭蕉に対する作者の尊崇の心が伺える一作。 共感。   【地】(My) 

以上

  先連    if-everest@xj.commufa.jp

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      【兼題の俳句 への感想】 281回 俳句ランド

次回283回の兼題は「 虫 」「 木犀 」両方とも派生語を含む)です。奮って投句下さい。

参照282回 の兼題は「 稲妻 」「 星祭 」両方とも派生語を含む)です。

参照281回 の兼題は「青田 」「 浴衣」(両方とも派生語を含む)です。

 

  対象:281回 兼題句 「青田 」「 浴衣」(両方とも派生語を含む)

 1 トンネルを抜けてみちのく青田晴 丈

  ・ 康成の一節を思い出すが、これはこれでよいのだろう。(IF

  

2 山並の迫りて出羽の青田波  丈

 ・ 最上川の下流域庄内平野は振り向けば出羽三山、彼方には鳥海山すなわち出羽富士の絶景。米所庄内の青田波が懐かしい。 (Jt

 ・ 出羽の山並みの特徴は、なんだろう。(IF

 

3 故郷や青田囲ひの父祖の墓  丈

 ・ 5と下5は近すぎないか。(IF

 

4 湯巡りの下駄音高く白浴衣  丈

 ・ 宿浴衣は季語として好ましくないという人もいるが、これは城崎温泉での体験。 (Jt

 ・ 夕方は白がめだつのだろう。(IF

 

5 異国乙女の懐かしの浴衣かな 丈

 ・ 自分では温泉浴衣くらいしか着ないが、外国からの夏の観光客は浴衣を着て楽しんでいる。昔盆踊りなどでは浴衣姿が目立ったものだった。(Jt

  ・ この「懐かし」は、愛着を覚えるの意だろう。(IF

 

6 老の身に裃めける糊浴衣    逸郎

 ・ 糊の効いた浴衣。裃のように突っ張って……。着心地はあまり……とは思うが老いの身がしゃんとしたような気分かも? (Jt

 

7 お城より青田へ忍者電車かな  逸郎

 ・ 忍者の里「伊賀」には忍者電車が走っているらしい。伊賀鉄道の伊賀線を走っているそうだ。「お城より青田へ」のフレーズもローカル性があってよい。 (Jt

 

8 伊賀超へて青田広ごる伊勢平野  逸郎

 ・ 萬緑の伊賀の山中から青田波の伊勢平野へ。やがて彼方には波静かな伊勢湾であろうか? 「超ゆ」の連用形だから「超えて」でなければ……。 (Jt

  以上

  先連    if-everest@xj.commufa.jp